米Google、「Google Instant」検索を開始。文字入力途中に検索結果を見る〔4〕
2010年10月6日
グーグル・インスタント検索の導入によるSEOへの影響について
少し考えてみたいと思います。
前回の「米Google、『Google Instant』検索を開始。文字入力途中に検索結果を見る〔3〕」や「米Google、「Google Instant」検索を開始。文字入力途中に検索結果を見る〔1〕」で使っているグーグル・インスタント検索の画像を再掲します。

例えとして「Google Earth」のサイトに行くために、
ユーザーは「g・o」と入力すればOKでした。
実に便利ですね。
一般の検索ユーザーにとっては、
「Google Earth」のサイトに行くために、
「google earth」
「google」
「go」
と、どの文字を入力するかは、
実はSEO業者が考えるほど重要ではありません。
一般の検索ユーザーは、手っ取り早く「Google Earth」のサイトに
行ければいいのですから。
その意味ではグーグル・インスタント検索は明らかに便利です。
ここでSEOに携わる人なら次のような疑問が当然わくはずです。
「g・o」と入力して「Google Earth」のサイトに訪問した場合、
一体「Google Earth」の検索キーワードは何になるのだろう?
- 上記画像に載っているように「g・o」の第一予測候補の「google maps」になるのでしょうか?
- それとも「go」という検索キーワードになるのでしょうか?
どちらにしても、これまでの通常検索の時よりも
検索キーワードと検索結果の関連性が曖昧になってしまいます。
当然、グーグルは「g・o」と入力して「Google Earth」のサイトをクリックした場合の「go」と「google earth」に対する評価、あるいは両者の関連性を評価するためのアルゴリズム(=検索結果を導く決まり)は設定していると考えられます。
(グーグル自体が試行錯誤中ということも考えられなくもありません。)
グーグル・インスタント検索は今のところそれほど検索結果の順位に影響ないかもしれません。
問題があるとすれば、その今のグーグル・インスタント検索の結果を導くための膨大なデータがこれまでのまだ比較的検索キーワードと検索結果の関連性が明白な時代に蓄積されたものだということです。
やがてグーグル・インスタント検索が主流になり、
検索キーワードと検索結果の関連性が曖昧になった時、
検索結果の正当性が崩れる可能性は充分ありえます。
グーグルはそれをどう回避していくのかは
まだしばらく見守る必要があるでしょう。
検索キーワードと検索結果の関連性が曖昧になることとの他にも
グーグル・インスタント検索が主流になった場合、
SEOに大きく影響を与えると考えられることがもうひとつあります。
「米Google、『Google Instant』検索を開始。文字入力途中に検索結果を見る〔3〕」で示したユーザーの検索行動の変化からわかるように、
検索ユーザーは先ず検索キーワードの予測候補が示す上位検索結果5位ぐらいまでのウェブサイトしか目にしなくなる可能性があるということです。
グーグル・インスタント検索が登場したからと言って、
まだ検索結果の順位に大きな影響は出ていないと言われています。
だからSEOに大した影響はない、と。
それは少し違っているように思われます。
これまでユーザーは一般に検索結果の20位(2ページ分)までみてくれていたかもしれませんが、
今後、グーグル・インスタント検索の登場により、
5位ぐらいまでしかみない可能性が出てきます。
20位まで入ればいい検索エンジン対策と、
なんとしても5位までに入らなければならない検索エンジン対策では、
検索エンジン対策の方法自体を変える必要性すら出てくると言えます。
少なくとも、これまで以上に検索上位を狙わなければならない事態が現れてくるでしょう。
今回、グーグル・インスタント検索の導入によるSEOへの影響について2つほど挙げました。
1.検索キーワードと検索結果の関連性が曖昧になる。
2.検索上位(5位ぐらい)に入らないサイトは益々みられない。
この2つの影響に負けないようにするためには、
ウェブサイトの巨大化と有名化(=ブランディング)が
ますます重要になってきます。
ウェブサイトの巨大化と有名化(=ブランディング)の重要性については、実は「米Google、『検索結果には同一ドメインから2ページまで』の原則を変更」からも同様の結論を導くことができます。
グーグル・インスタント検索という検索世界の大きな出来事があったために中断していた「グーグルの『検索結果には同一ドメインから2ページまで』の原則を変更は既に日本でも始まっている?」の続きを次回に取り上げたいと思います。
ラベル: Google, ウェブ動向, 検索, 検索エンジン
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