自治体ホームページのランキングについて

2010年3月27日

先月下旬、日経BPコンサルティングから、「都道府県・政令市サイト ユーザビリティ調査報告書」(52,500円)が発売されていました。

  ▶「都道府県・政令市サイト ユーザビリティ調査


調査趣旨は次の通りです。

自治体のWebサイトは、現在の住民に対して生活に必要な情報を提供するほか、観光を目的とするサイト利用者や、受発注にからむさまざまな情報開示を目的とする利用者にも情報を提供する必要がある。幅広い利用者を持つため、目的の情報が探しやすい構造でなければならない。サイトの使い勝手(ユーザビリティ)の良さが求められると同時に、誰でも使える(アクセシビリティ)への配慮も不可欠となる。

調査方法は次の通りです。

Giga Information Group(米国・Forrester Researchの一部門)が開発した Webサイト・スコアカード(=WSSC)をベースに、日経BPコンサルティングが自治体サイトに必要な要素を考慮に入れて独自の診断軸を考案した。

診断軸は以下5つのカテゴリーで、49項目(細目を含め計59項目)を審査した。

1.トップページ・ユーザビリティ:サイトで提供している情報や機能を分かりやすく提示しているか
2.サイト・ユーザビリティ:サイト全体が使いやすい構造になっているか
3.アクセシビリティ:音声ブラウザ利用者を中心に、誰にとっても使いやすいか
4.インタラクティブ:サイト利用者との接点が用意されているか(問い合わせ、フィードバック窓口の提示、RSS配信など)
5.プライバシーとセキュリティ:サイト利用者が提供する個人情報に関する保護方針、セキュリティ対策が明らかになっているか

調査員が実際にサイトを閲覧しながらチェックを実施。ブラウザは「Microsoft Internet Explorer」(バージョン7.0)を使用した。

まずは調査結果から。

  1位 新潟県
  2位 京都府
  3位 佐賀県
  4位 静岡県
  5位 名古屋市

1位〜5位までのホームページを覧ました。
どれも高いレベルとは言えません。

1位の新潟県のトップページです。


これって分かりやすいですか?
デザイン的なメリハリが無く、
文字の並びが単調で、
うんざりしそうなレイアウトです。

観光地の魅力を伝えるには、
それ相応のデザインを必要とします。
残念ながら、このデザインでは魅力を十分に伝えることはできません。
発想を変えて、別サイトを起こしたほうがよほど魅力を伝えることができるようになります。

別サイトと言えば、
視覚障害者用に対するアクセシビリティですが、
自治体のホームページに一般の方用と
視覚障害者のための音声ブラウザ用データを組み込むくらいなら
同じデータを基に、視覚障害者専用のホームページを作成し、
併設させることを提案します。
(ホームページ制作の労力はそれほど変わりません。)
そのほうが余程視覚障害者に伝わるホームページを提供できるはずです。
(それが正に弊社が提唱する “おもてなし発想” です。)

今日、一般の企業でさえ
楽天市場用のホームページと
独自ドメイン用のホームページなど複数サイトを立ち上げ、
運営するのは珍しくありません。

共通のデータを活かして、
別ホームページを作るのはそれほど手間ではりません。
大胆な発想の転換があっても良いのではないでしょうか。


話を新潟県のホームページに戻しましょう。
このホームページの中でいただけない点ですが、
極めつけは「新着情報」です。
新着情報のすべてに「新着!」というマークがついていて、
しかも色調が本文と同じため、とても読みづらくなっています。


新潟県のトップページを覧ただけで、
この日経BPの調査自体が無意味だと分かります。

また、この調査方法の項目の中には、
「検索エンジン対策」が含まれていません。

デザクロ-ブログ
検索エンジン対策の本当の意義とは〜検索エンジン対策はビジネスや商売だけのためにあると思っていませんか?
で書いたように、自治体のホームページこそ、
もっと検索エンジン対策に力を注ぎ、
検索によるユーザビリティを高めるべきなのです。
「検索エンジン対策」を無視したホームページの評価などあり得ません。

しかもびっくりするのは、調査に使ったブアウザーが
「Microsoft Internet Explorer」(バージョン7.0)のみだということです。

このデザクロ-ブログ
OS・ブラウザーの国内シェア(2009年12月度)
で書いているように、
「Microsoft Internet Explorer」(バージョン7.0)のシェアは、
たったの 34.81%に過ぎません。

ユーザビリティと言うのは、先ずどんなブラウザーで閲覧しても
レイアウトが崩れないことです。
65%強のブラウザーを無視してどうするのでしょうか?
正直、ホームページ制作者という立場からはあり得ない調査です。

そんなものを5万円以上で自治体に売るのでしょうか?

自治体の書籍購入費は当然税金からのお金なわけで。。。

もう少しまともな調査をして、
結果発表してもらいたいものです。


ご参考までに、都道府県ではない自治体サイトランキングは、
ゴメス・コンサルティング株式会社から発表(2010年3月18日)されています。

  ▶「2010年3月 自治体サイトランキング

総じて、こちらで上位を獲得している市区町村のサイトは前述の都道府県の自治体サイトよりは遥かに分かりやすく、覧やすいです。

ラベル: ,



▲このページの先頭へ