グーグルの攻勢が止まらない。スーパーフォン「Nexus One」を発表

2010年1月9日

全世界の65%の検索市場を占める検索最大手のグーグルの攻勢が止まりません。2009年秋から矢継ぎ早に発表されたり、ブラッシュアップされたグーグルのアプリ(=グーグル・アップス)は、来たるべきクラウドの覇権を狙うグーグルの意気込みをまざまざと見せつける感がありました。

そんな勢いの中、2010年1月5日に米グーグルは Android 携帯電話端末、その名も「Nexus One」を発表、米グーグルの通販サイト(日本からアクセスしても「申し訳ございません。あなたの国ではこの携帯電話ネクサスワンはご利用できません」と英語で注意書きがでます。)で販売を開始しました。この Google ブランドのスマートフォン(グーグルでは “スマートフォン” と呼ばす、“スーパーフォン” と呼びます)、SIMカードを切り替えることで、携帯キャリア(= 携帯電話の通信サービスを提供している会社)を自由に選べるらしい。(現在のところキャリアは一社。)ちなみに文字入力は日本語もサポートしています。

とは言え、このグーグルの戦略、マーケティング戦略としては大きな問題があります。

その問題を示す前に、携帯OSの Android について少し。

米グーグル社がこの携帯電話・インターネット端末用のOS Android を無償で誰にでも提供すると発表した2008年以来、数多くの Android 搭載の携帯端末が販売されており、日本でも2009年7月に docomo HT-03A が「ケータイするGoogle」というキャッチコピーで売り出されています。

問題は、グーグルが Android OS を無償で提供することで、多くのパートナー(=携帯電話メーカー)を獲得し、それなりに急成長するスマートフォン市場を作ってもらったにも関わらず、ある程度成長し、成功の見込みが出てきたタイミングを見計らって、 Android OS を搭載した最強のスマートフォン「Nexus One」を自ら売り出したことです。今まで Android を搭載した携帯電話を開発・販売してきた企業の立場は一体どうなるんでしょうか? 今回のこの「Nexus One」発売は、グーグルによる裏切り行為としか見えないはずです。

またそれとは別に、もうひとつ問題になりそうなのが Apple との関係です。

この Nexus One、写真を見ての通り、タッチディスプレイ(しかも有機EL)を搭載し、アップルの iPhone と似ています。(まあ、大型タッチディスプレイの携帯端末はみんな似たり寄ったりのデザインになってしまうんでしょうが。)アップルがこのグーグル携帯を歓迎するとはとても思えません。

そもそもかつては Apple と Google の両社は友好関係にありました。アップル製のブラウザー Safari では、バージョン1から現在のバージョン4までずっとデフォルトで検索エンジンとしてグーグルがツールバーに固定・採用されています。アップルの携帯電話、iPhone には当初グーグルのアプリが普通に搭載されていました。また、昨年の8月まではグーグルのエリック・シュミットCEO(最高経営責任者)がアップルの取締役を務めていたのです。

2009年8月にシュミットCEOがアップルの取締役を辞めた理由(正確には「辞めさせられた理由」とすべきか)とされているのが、正に Android OS や Chrome OS(=グーグルが作ったPC用OS)だったと言われます。

そして現在、もはや両社はとても友好的な関係にはありません。

米時間2010年1月5日、ロイターによると、アップルがモバイル広告配信を手がける米国 Quattro Wirelessを買収したと報じています。どうやらアップルは本気でモバイル端末への広告事業を展開するみたいですね。そうなるとグーグルとの徹底交戦になります。2008年末に流れた「アップル、独自検索エンジンを開発中」との噂を今更ながら思い出します。(既に Mac OS-X にはパソコン用の非常に優れた検索機能が組み込まれています。)個人的には、アップルの技術力と知名度からすれば、Web検索の分野でも成功するように思えます。

いずれにせよ、グーグルブランドの Nexus One とその周辺の動きからは目が離せませんね。


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2010年2月1日の WIRED VISION の記事によると、Apple の社員向けに行われたタウンホールミーティングで、Steve Jobs CEO が Goolge や Adobe について語った内容を掲載しています。その発言内容がおもしろかったので紹介します。



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